6月13日に「右上肢のコンディショニング不良」で登録抹消。
1カ月が経とうとしている。
あのノーヒットノーランで球場を沸かせたヒーローは、今怪我に苦しんでいる。
早くまた雄姿を見たいと思うが、
万全な態勢で臨まなければ、勝てるような甘い世界ではないはず。
今後、佐々木投手はどのような選択肢をとるのだろう。
「球団のトレーナーが選手の出場にゴーサインを出せるわけではありません。
レントゲンで患部の状態を見て異常がなくても、
本人が違和感を覚えて不安を払しょくできないようだったら登板できない。
昔は首脳陣が『あれこれ言わずに投げろ』と強制的に投げさせましたが、時代が違う。
見切り発車で投げてコンディションが悪化する危険性もあります。
復帰時期は自分の状態を一番理解している佐々木の決断次第だと思います」
「入団当時より体が分厚くなったことは間違いない。
ただ、まだまだ線が細い。
佐々木投手の全盛期は3、4年後だと思います。
肉体強化は一朝一夕で作り上げられるものではありません。
トレーニングだけでなく、1軍の先発ローテーションで投げ続けることでしか本物のスタミナはつきません。
とにかく焦らないこと。
メジャー挑戦?
今の状態で行っても数年で体が壊れてしまいます」
度重なる故障により、プロ4年間で規定投球回数に到達したシーズンが一度もなく、
勝ち星も22年の9勝が最多で二ケタ勝利はない。
160キロを超える直球に、140キロのフォーク、スライダーを操る投球は異次元の領域だが、
肉体が出力に耐えられない状況になっている可能性がある。
ロッテはこれまで、「令和の怪物」を大事に育ててきた。
新人の1年目に1、2軍登板なしで体作りに専念し、
2年目以降も登板間隔、球数に細心の注意を払っている。
今季は9試合登板で5勝2敗、防御率1.96。
出力を抑えた投球で長いイニングを投げ、
先発ローテーションで回ることを重視した投球だったが、
故障で離脱しているうちにシーズンは残り70試合を切った。
現在の投球回数が59回2/3であることを考えると、
規定投球回数(143回)到達は厳しいと言われる。
試合に出れていない以上、ファンからの風当たりは強くなるのは必至。
だが、それ以外にも、原因があるという。
昨オフにキャンプイン直前に契約更改した際、初めてメジャー挑戦の意向を公言したことだ。
シーズンを通じて球団に恩返しをしたと言える成績を残していない状況で、
メジャー挑戦を熱望したことによって、
佐々木に対して逆風が強まる状況になってしまった。
「ロッテでのプレーは心地よいですし、このメンバーで優勝したいという思いは誰よりも強いはず。
入団当時からずっと育成に携わっている吉井理人監督と関係が良好ですし、チームメートにもなじんでいる。
だからこそ、じっくり力をつけて日本を代表するような投手になってから、
メジャー挑戦でも遅くないと考えていたはずです。
メジャーでプレーしたい気持ちはロッテ入団前からあったと思います。」
なんでそんなにメジャー行きを急ぐ必要があるのだろうか。
今オフに、もし佐々木投手が、ポスティングシステムでの移籍を望んだ場合に、
ロッテ側はどのような対応をとることになるのだろうか。
ある関係者は、
「当然認めないでしょう。
来年以降はエースとして活躍してもらわなければ困る投手ですから。
気になるのは佐々木の動きです。
どうしてもメジャーに挑戦したいと、ロッテとの契約に合意しない場合はどうするか。
日本球界とのケンカ別れは最も避けたい事態なのです。」
ドジャースに移籍した大谷翔平が話題のメジャーリーグで、
強烈なインパクトを与えている日本人投手の一人に、
DeNAからポスティング・システムでカブスに移籍した左腕・今永昇太がいる。
今季は最初から、全力投球で投げ続け、今もメジャーで先発として頑張っている。
そんな姿に、佐々木投手も影響されたのか。
メジャーでは、剛速球がなくても、球質と制球力を磨けば通用するとは言われている。
今永投手の投球スタイルは他の投手も参考になる部分が多い。
地元メディアは、
『イマナガを獲得できたことは最大のファインプレー。彼はエースになれる』
と絶賛しているという。
とにかく、今は体を元に戻して、
日本のプロ野球で、
成績を残すことが、佐々木投手には求められていることだと思う。
早くシーズンに復帰してほしいと願うばかりだ。
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