今回のパリ五輪大会のメダルについては劣化が激しく、
その品質を疑問視する声がメダリストから開会式後から相次いでいたという。
パリ五輪組織委員会は鑑定した上で交換に応じる姿勢を示しているが、
閉幕後も波紋は続きそうだ。
なぜ、こんなことが表面化したのだろうか?
発端となったのが、
パリ五輪のバドミントン男子シングルスで連覇を遂げたビクトル・アクセルセン(30、デンマーク)が11日、
自身のXで東京五輪の金メダルと今大会の金メダルを並べて比較する動画を投稿したことがきっかけだった。
「Tokyo vs Paris」とコメントを添えた23秒の短い動画の中で、
アクセルセンは、
鳥の鳴き声が聞こえる野外の公園の木製テーブルような上に2つのメダルを並べて、
順番に表、裏とひっくり返してみせた。
東京五輪のメダルは3年が経過しても明るい黄金の輝きを維持している。
ほぼ劣化の気配はない。
一方のパリ五輪の金メダル。
まだ5日の決勝戦から6日しか経過していないのに、
もう日に焼けてしまったように変色し、
まるで銅メダルのようにくすんでしまっていた。
この動画の反響は大きく、690万回以上再生され、
6万件を超える「いいね」と1万件を超えるリポストがあったという。
感想としても、
「東京の金はパリより輝いている」
「パリオリンピックの金メダルは安っぽく見える。
それを獲得するためにプロとしてのキャリアを捧げたすべてのアスリートにとって、
ほとんど侮辱的だ」
「フランスは貧乏なのか」
男子スケートボードのストリートで銅メダルを獲得した米国代表のナイジャ・ヒューストンが、
自身のインスタグラムに、
くすんで錆のようなものが出ているような状態になってしまったメダルを投稿したのだった。
「このオリンピックのメダルは新品の状態ではとても良く見えたのだけれど、
少し汗をかいた状態で肌に触れさせたり、週末に友人たちに着けさせたりしたところ、
思ったほど、高品質ではないことがわかった。
これを見てほしい。荒れた感じになっている」
と伝え、光沢が失われ、劣化の激しいメダルを嘆いた。
さらに「もう少し品質を向上させたほうがいいかもしれない。
メダルはケースに入れておくように作られているんだと思う」と書き込んだ。
個人的に、メダルはそれぞれの金属で作られているものだとばかり思っていた。
例えば、金メダルなら、金で。銀メダルなら、銀で。
それは、違っていた。
メッキで仕上がっているという。
それも、国によって仕上がりも違ってくるという。
それでは、国によってメダルの仕上がり方も異なってくるのも、
少し分かる気もする。
だって、すべて五輪協会とかが仕切って作成しているわけではないのだから。
おそらく、開催国のメダル担当の部署があって、そこに委託されているのではないかと思う。
今回のオリンピックで授与されたメダルには、
パリのランドマークであるエッフェル塔が20世紀に入って修復工事を行った際に取り除かれ、
倉庫で保管されていた鉄製の柱の一部の金属が使用され、
フランスの高級ジュエリーブランド「ショーメ」がデザインしたと言われる。
フランスの国土を象徴する六角形で、
裏にはギリシャ神話の勝利の女神ニケとともにエッフェル塔が刻まれている。
製造はパリの造幣局が担い、金銀銅を合わせて約5000個が製造されたという。
苦情に対しては、パリ五輪組織委員会は誠意を持って敏速に対応。
メダルの製造と、品質管理を担当する機関であるパリ造幣局と密に連携し、
また該当する選手の所属する国内オリンピック委員会とも協力して、
メダルを鑑定し、損傷の状況と原因を把握するために取り組んでいる。
メダルは、オリンピックで、最も欲せられるものであり、
選手たちにとって最も貴重なものだ。
損傷したメダルは、パリ造幣局によって必ず交換され、
オリジナルと同じ方法で刻印される」と断言。
鑑定の上で交換に応じる考えを明かした。
たまたま彼らのメダルが不良品だったのか、それともすべてのメダルに問題があるのかは不明。
もし全部のメダルの品質に問題があるのなら交換に応じることも困難になるだろう。
各国のメダリストは帰国後にメダルを披露する機会が多く訪れることが予想されるだけに、
大会閉幕後もまだまだメダル問題の波紋は広がりそう。
コメント欄