「町の知名度が一気に高まった。まるで、どこかのテーマパークみたいだ」
と、語るのはある町の町長。
コストコ誘致のために、日本法人にその都度名刺を置いてまで、積極的に動いたという。
そこまでしても、魅力あるコストコ。
今回、なぜそこまで自治体が来てほしい企業なのか、探ってみた。
日本法人の出店条件が、半径10キロの人口50万人以上、駐車場収容が800台以上。
これが、コストコ誘致に必要不可欠な最低条件だという。
ある町では、
21年にコストコが開業して、
減少傾向だった町の人口は3年で300人程増え、固定資産税など税収も上向いたという。
街にとっては、人口が増えて活性化できるばかりか、
税収も入るというのだから、
至れり尽くせりなのだ。
コストコ支社長は「商圏の人口規模を最も重視している」と話す。
開業すれば、数百人の雇用が生まれ、
そして、
時給は全国一律1500円以上という。
現在は21都道府県に33店舗を構える。
福岡県の小郡市はコストコと立地協定を結び、
地元雇用や災害時の物資供給を確認。
用地が市街化調整区域だったため、
市は県に直接掛け合い、誘致を実現させたという。
1999年に日本で初めて福岡で出店し、店舗網を広げてきた。
その中でも、イギリスのテスコやフランスのカルフールなどの外資系小売業は、
日本から撤退していったが、コストコは、
日本で一度も撤退することないことから、
自治体もコストコを中心とした街づくりがしやすいというのが、
最大の利点となっているといわれる。
独自商品をそろえて、試食を促し、
消費を娯楽とする演出ができているのもコストコ独自の販売方法。
コストコがあるところでは、
今年開店するというある町では、
スーパーの40代店長が、
「コストコで食品を仕入れて、小分け販売していきたい」と語る人や、
ガソリンも売っていることから、
あるガソリンスタンド店主は
「売り上げは間違いなく、落ちるでしょう」などと語る人もいて、
期待半分の不安半分というところみたいだ。
コストコの日本上陸から今年で、25年。
日本法人は地方で出店を進め、自治体は人口増加や活性化対策で誘致に必死。
地元商店からは競争激化に不安も漏れるけれど、
衰退する自治体にとっては、コストコが頼みの綱になることはまちがいない。
このまま何も手を打たなければ、地域の商業は人口減少で成り立たなくなる。
出店条件が
半径10キロの人口50万人以上、駐車場収容が800台以上
が、人口が少ないところには、
厳しく見えるかもしれないが、
割合人口が多い自治体の近隣に位置する自治体にとっては、
人口が流れてくるという恩恵にも授かるという可能性もある。
最初からあきらめるのではなく、
自治体同士で議論を重ねて、なんとか出店条件をクリアできる方策を練ってほしい。
できれば、自分の住んでいるところにもコストコが出店してほしいと願う。
あまり穏やかな言い方ではないけれど、
市長などの選挙公約にも一役買うのではないかと考える。
「コストコを誘致して、このように人口も増えて活性化してきました・・」
などと演説でも使えるのではないだろうか。
東京都知事選が告知され、現在大変な賑わいとなっている。
そんな中、都だけでなく、地方の県知事選を控えているところも多い。
こういうところで、選挙公約に「コストコ誘致」などと、
具体的に組み込めば、有権者にとっても大変分かりやすいし、
立派な公約になると思う。
今の有権者は理想だけを述べる候補者でなく、
何を現実的にしてくれるのか、何を実現してくれるのかだけを見ている気がする。
「コストコを誘致します。わが町も人口が増えれば、活性化してくれば、
もっとこんな政策もできますよ・・・」みたいなことを、コストコを例に挙げて、
遊説してもいいと思う。
是非、コストコ誘致を実現してほしい。
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