辞職を拒む理由
毎日、ニュースを見ていると、
斎藤知事とメジャー大谷選手の顔を見ない日はないというくらい、マスコミで今取りだたされている。
なぜ、ここまで話題になっているのだろう。
不思議だ。
ここまで、話題になっているのは、よっぽどのことがあるからこそ。
自民党の総裁選が近くなってきた折、
なぜか、パワハラやらおねだり疑惑などが気になり、調べてみた。
どうして、マスコミにここまで叩かれながら、椅子にこだわるのか、
斎藤県知事の意地みたいなところも感じ取れるが、県政がかなり混乱している中、
今後、どうなっていくのだろう。
事の発端となったのは
百条委員会で、斎藤知事は「県民のため」と繰り返し、辞職を改めて否定した。
「県民のために」を掲げる知事の姿勢は変わらなかった。
なぜ、こんなに混乱するはめになったのか。
次の経過があったよう。
もともと職員たちの不満を代表する声ともいえる元西播磨県民局長(60)の告発文書が、“爆弾”となって炸裂した。
「一死を持って抗議する」などと元局長がメッセージを残して亡くなったことで、県職員や県議会の人たちが、
斎藤知事に辞職を求める圧力が強まったという。
今回のゴタゴタの深層には、5期20年を務めた井戸前知事との軋轢(あつれき)もあったことは確かであるらしい。
その“井戸嫌い”の斎藤知事。
井戸前知事は、現在の県の敷地を活用して、新庁舎を建設する計画を立てていた。
ところが、井戸前知事にかわって就任した斎藤知事は、
昨年3月、コロナ禍でのテレワークの広まりやデジタル化の推進を踏まえ、
1、2号館の解体は維持したまま、新庁舎建設を白紙に戻した。
これが、ここまで大きくした事の発端である。
斎藤知事は「もとの計画は約700億円の事業費だった。現在の物価高騰を試算すると1000億円を超える。
新庁舎建設は県民の理解が得られない」と井戸知事の新庁舎建設を撤回してしまった。
寝耳に水の県議会は猛反対したが、斎藤知事は聞く耳を持たなかった。
4割出勤
1、2号館の撤去・解体で行き場を失う職員約2500人について、職員の出勤を週2日として、
残りの3日を在宅勤務とすれば、職員の出勤率が4割程度となり、約1000人の出勤におさめることができる。
コロナ禍の働き方改革で、在宅勤務やテレワークがふつうとなり、
「4割出勤」であっても県庁の行政事務を十分にまかなえるというのが斎藤知事の考えだったらしい。
そうは、簡単にはいかない。
当たり前である。
目標の出勤率4割を達成できたのは、参加した15部局のうち4部局だけだった。
全体の出勤率は平均45%程度にとどまり、目標には及ばなかった。
理由について、「他職員との気軽な相談が困難で、対面で話したい」
「自宅に仕事環境が整っていない」などを挙げていた。
つまり、ほとんどの県職員たちは「4割出勤」には否定的だった。
それでも、斎藤知事は何としても職員の出勤率4割を目指す考えに変わりなかった。
46歳の新知事と年上の県幹部との間で摩擦が生じることも多かったのかもしれない。
パワハラは決して許されることではないが、
報じられているような職員との衝突や過度な叱責の中には、こうした背景のものもあるかもしれない。
若い知事のやる気と、前知事のやり方を踏襲したい職員や議会との大きな壁。
それはいいとして、一番考えないといけないのは、県政を落ち着かせることだ。
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