【家族の実録体験記】39.3度の朝から始まった、長くて重い一日 ~子どもの高熱と、父の入院説明に追われて考えた「家族の時間」~

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はじめに

ヒロ

今日、実際にあったことを記録します。

今朝は、目覚めた瞬間から胸の奥に重たいものが沈んでいました。
体温計の表示は39.3度
昨日から続いているわが子の高熱は、やはり下がっていませんでした。

「やっぱり、だめか……」

昨日、本当は病院に連れて行きたかった。
それなのに、仕事の都合でどうしても行けなかった自分。
親として最善だったのか、今でも自問しています。

子どもの体調不良は、待ってくれません。
そして同じ日に、父の入院説明という、もう一つの大きな出来事が重なっていました。
この一日は、親として、子として、人として、多くのことを考えさせられる一日になりました。


第1章 発熱外来という「待つ場所」で感じた現実

朝8時すぎ、発熱外来に到着しました。
少し早めに来たつもりでしたが、受付を見るとすでに6番待ち

我が子は車の中でもぐったりしていて、顔色も悪く、言葉数も少ない。
最初は、外に設置されていた発熱外来用の椅子に座らせましたが、その姿を見ているだけで胸が締め付けられました。

ほどなくして看護師さんの問診が始まり、症状や経過、家族の体調、学校での流行状況などを細かく確認されました。
そして、

「車の中でお待ちください」

という指示。

車内で待機することになり、前方二つの窓は全開。
寒さよりも、感染を広げてしまう不安のほうが大きかったからです。

車の中で待つ20分。
その間にも次々と人が来院してきます。
「こんなに多いのか……」
インフルエンザが本格的に流行している現実を、目の前で突きつけられました。


第2章 検査、そして終わらない待機時間への疑問

呼ばれて診察室に入ると、医師は手際よく診察を進め、すぐに検査に入りました。
綿棒を鼻の奥へ差し込む検査。
大人でもつらいあの検査を、我が子は目をぎゅっとつぶり、必死に耐えていました。

「よく頑張ったね」

声をかけながらも、親として申し訳なさと無力感が込み上げます。

検査後、再び車内待機。
30分、40分、1時間……。

時間だけが過ぎていきます。
高熱でぐったりしている子どもを、車の中でただ待たせるしかない現実。
医療現場の大変さは理解しています。
それでも、この待機時間はどうにかならないものかと、正直思わずにはいられませんでした。

約1時間後、看護師さんが車に来て、静かに告げました。

「インフルエンザAが陽性でした」

やはり、という気持ちと、原因が分かった安堵。
しかし、ここで終わりではありません。

「薬剤師が来ますので、もう少しお待ちください」

さらに約1時間の待機。
親として、時間の長さよりも、子どものつらそうな姿が何よりも苦しかったのです。


第3章 息つく間もなく、次は父の入院説明へ

ようやく薬の説明を受け、病院を後にした頃、我が子は完全にダウンしていました。
帰りに近くのスーパーへ寄り、「アイスが食べたい」と言われ、アイスを買いました。
高熱の中でも、そんな小さな欲求を口にする姿に、少しだけ安心しました。

嫁の昼ご飯も一緒に買い、帰宅。
しかし、ゆっくりする暇はありません。
午後2時から父の入院説明が控えていたのです。

急いで昼食を済ませ、少し横になろうとこたつに入ったのが間違いでした。
目を閉じて――次に目を開けると、時計は午後1時半

「寝過ごした……」

一気に血の気が引きました。
慌てて準備をし、実家へ向かいます。
ただ、焦って事故を起こしては何も意味がありません。
自分に言い聞かせながら、慎重に運転しました。


第4章 父の不在と、病院での長い説明

実家に着くと、父の姿がありません。
車もありません。

母に聞くと、「お米を買いに行った」とのこと。
あれほど、今日の予定を伝えていたのに……。
電話をすると「もうすぐ帰る」と。

責める気にもなれず、ただ、いらいらしながら待ちました。
結局、病院へ向かったのは午後2時15分。
「怒られるだろうな」
そう思いながら病院へ。

受付を済ませると、
「待ち時間が長くなるかもしれません」

今日、何度目の“待ち”でしょうか。

約1時間後、ようやく呼ばれ、主治医から説明を受けました。
病名は膀胱腫瘍疑い
多くの人がこの診断を受け、手術をしていること。
現時点では転移は確認されていないこと。

父は、長年吸ってきたたばこをやめる決断をしました。
「きついだろうけど、自分のためだよ」
そう説得し、主治医からも後押しをしてもらいました。

その後、入院受付、看護師からの説明。
父は2度目の入院にもかかわらず、前回のことをほとんど覚えていません。
「もしかして……」
そんな不安が頭をよぎりました。


第5章 父の後ろ姿と、家族への願い

病院を出たのは午後4時半。
明日から仕事のため、そのまま父と一緒に入院用品の買い出しへ向かいました。

大きなディスカウントスーパーで、約1時間の買い物。
その間、父の後ろ姿をじっくり見ることは、今までありませんでした。

白髪交じりの頭。
少し小さくなった背中。
昔は厳しく、働き者で、頼もしい父だった。
その面影が、少し薄らいだように感じました。

実家に戻る頃には、すっかり暗くなっていて、時間は午後7時前。
母は何度も「大丈夫だった?」と尋ねます。

父の病名は膀胱腫瘍疑い
来週17日に入院、18日に手術。
今のところ転移はしていない――その言葉を、信じたい。

なんとか腫瘍をすべて取り除き、また元気な父に戻ってほしい。
ひ孫の顔を、早く見せてあげたい。
「よかったね」と言って、家族全員で笑えるお正月を迎えたい。

子どもの高熱と、父の病気。
同じ日に重なったことで、改めて「家族の時間は当たり前ではない」と痛感しました。

今日という一日は、きっと忘れません。
そして、この一日が、家族にとって前に進むための一日であったと、いつか振り返られるように――
今はただ、そう願っています。

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