「やっぱジブリってスゲーな」
スタジオジブリ作品は世界中にファンがいて、日本人が驚くほど人気の高い国も多い。
例えば、英国ではロンドンのバービカン劇場で舞台『My Neighbour Totoro(となりのトトロ)』を上演。
チケットが完売するほど盛況で、最多9部門にノミネートされている。
そんな「外国人のジブリ人気」がうかがえるのが、愛知県長久手市にある「ジブリパーク」。
22年11月、開園前の内覧会に訪れた海外メディアは、
「宮崎駿のレガシーが詰まった宝石のような場所」(米紙ワシントン・ポスト)、
「ジブリの世界が完ぺきに再現されていて、びっくり」(ソウル新聞)などと大絶賛しているという。
しかし、そんな海の向こうのジブリファンの盛り上がりとは対照的に、
日本人の「ジブリパーク熱」はそれほどでもない。
“ガチ”のジブリファンではないファミリー層からの評判は「悪い」と言っていいだろう。
ジブリパークが新エリア「魔女の谷」のオープンを機にチケット体系を見直したことで、
「ディズニーランド並みのお金がかかる」
「乗り物は別料金だし、ちょっと高すぎる」
「家族で出かけるのは尻込みをする」などネガティブな声が聞こえているという。
小学生の子ども2人と両親の4人家族が、
「ジブリパーク大さんぽ券プレミアム」という最も高額なプランで休日に来園した場合、
チケットのみで計2万3400円。
そこに別途料金がかかる「五平餅炭火焼体験」(1200円)、「メリーゴーランド」(大人1000円、子ども500円)、
「フライングマシン」(500円)を家族で全て体験した場合、チケット代と合わせて計3万3200円になるという。
なぜ日本の誇りともいうべきジブリのテーマパークに、こんな厳しい声が寄せられるのか。
「ジブリパークとは何か」という周知が十分ではなかったことに尽きる。
ジブリパークはテーマパークではない。
「森と相談しながらつくっているスタジオジブリ作品の世界を表現した公園」だ。
公園なので最新技術を用いた騒がしい施設や、アトラクションは必要ない。
しかし、世間はそう見ない。
「ジブリパーク」というネーミングのせいもあって、
ここを勝手に「テーマパーク」だと思い込んで訪れている人がかなりいるのだ。
そういう人たちは当然、他の国内有名テーマパークと比較してしまう。
そして、「この内容にしては高くない?」という反応になって、辛口レビューを拡散するというわけ。
それがよく分かるのが、目標来場者数だ。
ジブリパークは5エリアが全て開業した際の年間想定来園者数を約180万人と見積もっている。
ほぼ同じ入場料をとるディズニーランドが1200万人、
としまえん跡地の施設でも200万人としている中で、ずいぶん弱気じゃないかと思うだろう。
ジブリ作品や日本のクリエーターたちを守っていくためにも、
ジブリの「価値」を向上させていくべきだと考える。
「そんなのジブリっぽくない」と思う人もいるだろうが、
そういうことを言っているうちに消えてしまったテーマパークがどれほどあることか。
またジブリが目指す「自然を守る社会」のためにも資金は必要だ。
残念ながら、これからの日本は世界トップレベルのスピードで人口が減少していくので、
公共インフラも急速に崩壊していく。
そこで真っ先に削られていくのは、自然や文化の保護・保全だ。
日本のアニメ文化を守っていくためにも、
日本のテレビ業界にはぜひともディズニーランドに見劣りしないような「ジブリーランド」を検討していただきたい。
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