半導体は大丈夫か?~台湾地震でTSMCが受けるリスクと世界的な影響~
台湾地震が発生して、数日が経過しようとしている。
台湾東部沖を震源とする地震で台湾の災害対策本部は6日、
新たに3人の死亡を確認し、同日夕までに死者が13人に増えたと発表した。
けが人は1147人となった。
台湾の東部沖で今月3日に起きた地震では、
6日も震源に近い花蓮県にある台湾有数の景勝地、太魯閣渓谷の周辺で連絡が取れなくなっている人たちの捜索活動が行われました。
時折、雨も降る中、レスキュー隊員が救助犬を出動させるなどして捜索を行っている。
今回の地震で大きな被害を受けた花蓮県では、
6日午後の時点で、学校などあわせて4か所の避難所に、およそ150人が避難している。
ロイター通信が配信した避難所の映像では、仮設のテントで避難者が食事をしたり、体育館でボランティアが支援物資を準備したりしている様子が確認できます。
避難している70代の男性は「10分、20分おきに、まだ地震が続いています。いつ終わるのかもわからず、安全ではないと思います」と話していました。
また別の避難者は「住んでいたマンションが傾いていて、住むことができません。地震があれば、倒壊する危険もあります」と話していた。
大規模地震を受け、
最先端技術に欠かせない半導体が台湾に集中する現在。
世界をけん引する台湾積体電路製造(TSMC)への影響が、
国際的な関心を集めている。
半導体受託製造で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、
台湾東部沖の地震で一部工場の操業に支障が出ており、
「完全な自動生産に戻る前には調整のため、より多くの時間を要すると予想される」と明らかにした。
想定される期間は示さなかった。
TSMCによると、生産設備の8割以上がすでに復旧。
最先端半導体を生産する南部・台南の工場は4日夜中に完全復旧する見通し。
安全性確認のため一時中断した台湾内の新工場の建設工事は4日に再開したという。
やはり、懸念していたことが現実となった。
島国台湾。
日本と同じ島国で、地震大国。
そのような地理的リスクが高いところに、
半導体という世界中が必要としているものを作る最先端工場が、集中しているのだ。
各国が早くそのようなリスクを分散させる必要があることと、
今回の大地震により、
TSMCのような高い技術を持つ会社から、
なんとか早く工場分散化ができないものなのかと痛感した。
海外メディアからも厳しい指摘が飛ぶ。
米CNNは、
「地震が発生しやすく、地政学的緊張のホットスポットでもある島に、重要なマイクロチップ製造を集中させることのリスクをはっきりと思い出させた」とチクリと指摘。
英BBCも「半導体のサプライチェーンは台湾に集中しており、世界経済に影響を与える可能性がある」と報じた。
TSMCの半導体受託生産は世界シェアの6割を占め、生産能力の9割以上を台湾内に置いてきた。
中国の脅威が増す中、経済安全保障を強化するため日米欧などの各国はTSMCの誘致拡大を目指し、
台湾政府にも協力を促している最中でのこの地震。
台湾政府関係者は、台湾への「一極集中」を疎む海外の見方に、
「各国が欲しがる半導体があるからこそ、各国と正式な外交関係がなく、
小さな台湾が国際社会で存在感を示し、
中国からの統一圧力に対峙(たいじ)できている」
と複雑な心境を吐露している。
台湾の気持ちも分かる。
各国と連携して、
台湾の立場を考えた、半導体技術の分散を
早急に考えるべき時に来ている。。。
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