能登地震から1か月 ~インフラ復旧を早く~
能登半島地震は、発生から今日で一か月を迎える。
思うことを述べていきたい。
最大震度7を観測し、災害関連死15人を含め、約230人が亡くなり、石川県だけで約4万5千棟の住宅が被害を受けた。
全容はまだ把握できておらず、安否不明者もいる。
31日時点でなお、約1万4千人の住民が避難所生活を続けている。
交通網は寸断され、半島北部ではほぼ全域の4万戸以上で断水が続く。道路の復旧にも相当の時間がかかることが見込まれる。
石川県の発表では、被害の大きかった珠洲市などの水道が元のように使えるようになるのは、2~3月末の見通しと言われている。
水は暮らしの生命線であり、生活再建の大前提である。トイレや洗濯、入浴がままならない状態が続けば、感染症拡大や体調悪化に起因する災害関連死のリスクが急速に高まる。
政府は全国の自治体から派遣される技術職を増員する方針だ。
あらゆる人的、物的資源を結集し、インフラ復旧を加速していかなければならないと考える。
体育館などへの1次避難者らはなおも9千人以上いると言われる。
介護が必要な家族やペットがいるといった理由で避難所に行かなかったり、ストレスから自宅に戻ったりした被災者も少ないとされる。
石川県はホテルや旅館に2次非難を呼びかけている。だが、宿泊施設が他の自治体にあるため、戻れる時期も見通せないとの不安もあり、思うように進んでいないという。
地域の人間関係が絶たれることへの懸念も大きいのではないか。
なるべくコミュニティを維持して移れるようにするなど丁寧な進め方が重要になる。
地震はいつ、どこで起きるか分からない。
自治体の枠を超えた避難の仕組みを全国で整えていくことも急務だ。
危険な場所から離れ、心と体を休めてはいかがだろうか。
そんな選択肢があることを防災訓練などの機会に共有しておくことも大切だと思う。
地震の被害を直接に浴びた石川県。施設が崩壊、断水で衛生状況が悪化し、職員も非難を迫られて人員が足りないという過去の災害で指摘された課題が繰り返された形となった。
福祉避難所に入るべき高齢者や障害者らが一般の避難所で雑魚寝している過酷な状況が続く。
バリアフリー化や段ボールベッドの備蓄といった対策を取れば、一般の避難所でも要配慮者には対応できる。
国が民間の力を最大限活用しながら整備していくべきだと思う。
政府は被災地支援のための政策パッケージを決めた。
生活、なりわいの再建、災害復旧の3つである。
仮設住宅が一部完成し、がれき処理などに当たるボランティア受け入れも始まっている。
復旧の環境は少しずつ整ってきている。
国や県がどんな手順で取り組むのか、道筋を示してほしいと思う。大災害を乗り越えるための手本を示してほしいと思う。
今回は細長い半島で地震と津波が起きた。
道路が寸断され、港湾設備も破壊されて、
支援物資の輸送や、自衛隊移動の障害となったとされる。
半島のような被災地を想定した支援計画は十分だったのか。
自治体職員自身が被災者となり、人手も足りなくなった。人的支援のあり方そのものの再検証も求められる。
海に囲まれ、交通アクセスが限られるのは、離島が多い県ならどこでも同じである。
土砂崩れによる孤立は頻発しており、被災から1か月程度を想定した物資搬入や避難生活全般について、
常日頃から備えておくことが欠かせないことだと思った。
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