能登半島地震~厳寒の孤立状態、半島防災を今考えるとき~

能登半島地震~厳寒の孤立状態、半島防災を今考えるとき~

半島防災を考える時

能登半島地震で、石川県の各地で孤立集落が発生し、いまだに約3000人近くが取り残されている。

激しい揺れで土砂崩れや道路損壊が頻発し、交通網が至るところで寸断された。

水や電気などインフラの復旧の見通しも立たない状況だ。

避難者からは、限界が近づいてきていると悲鳴が上がっている。

その状況とは・・

ギリギリ

物資が入ってこなくて、ギリギリの状態だ。

避難所に身を寄せている人は約100人。その一人がこう訴える。

地震直後から孤立状態が続く地区では携帯電話さえつながらない。

食事もままならない。

各家庭から持ち寄った食材で炊き出しをする。

川の水を煮沸して、洗い物に使用する。

自衛隊が物資を運び入れてくれたが、それも十分とはいえない。

リーダー

避難所に身を寄せるもの同士で、避難生活を円滑にする目的で

役割分担をしているという。

その中でも長の役を担うリーダー。

感染症が流行りだすと、トイレのルールを貼りだし、みんなに周知する。

調理係や物資係、ボランティアなどとの窓口となる受付などを設置し、

一つの家のような感覚だ。

健康状態や課題を皆で共有し、残った物資を確認して、配布する量を決める。

搬入の段取りもその時に決めるそうだ。

地理的に日本海側であるため、雪に見舞われる。

大雪の日は、各部屋にストーブを置き、身を寄せ合う。

それでも、寒いものは寒い。衣類が十分ではないからだ。

1人1枚の毛布と物資のカイロでなんとか乗り切ったこともある。

こんな生活がいつ終わるか分からないから怖い。

体がいつまで持つか。

限界に近いことは皆が感じていること。

だから、弱音は簡単に吐けない。

ある高齢者は語る。

アクセスがとにかく悪い

孤立集落は、山間部や沿岸部で土砂崩れが起きて、アクセスが途絶している。

人の移動や物資運びが困難な状態が続いている。

ある専門家は「普段でも移動が大変なところだ。そこが、今回の震災で孤立状態が深まっている」と語る。

本格的な物資輸送には、重機による道路改修や代替ルートを作ることが必要とされる。

寒い季節のため、凍死や衰弱死もありうる。

公的機関が一刻も早く一人ひとり救出していくことが先決だ。

陸、空が厳しければ、海からの救出も作戦として考えるべきだ。

今回、海からの救出があまり話題に上っていないのが懸念される。なぜなのか。

それとも、なにか支障があって、作戦に移せないのか。

確かに、浅瀬が多ければ、船も近づけない。

であれば、小型のボートなり、頻回に出動させ、物資なり、重機なり運ぶべきだろう。

喫緊の状況をもっと深刻に受け止め、国が指揮を執り、作戦を練るべきだ。

半島全体が被災したために、近隣の自治体間で協力を得ることができないと聞く。

金沢市から片道5時間かけ、半島に入ったが、運ぶ職員の寝泊りする場所がなく、断念したということもある。

半島防災を考える時

専門家は、孤立を想定して、備蓄を増やしておくなど、半島内で完結する計画を立てておくべきだったと語る人もいた。

法律で半島振興法というものがあるそうだ。

現在、半島とは三方を海で囲まれ、一方が陸続きの土地と定義されている。

23の地域が対象とされている。

北海道と青森県の間、房総、伊豆、紀伊、大分国東、長崎、島原、鹿児島薩摩・大隅など。

南海トラフ巨大地震で予想される津波は、なんと最大約33メートル。

海沿いが津波、山間部が土砂崩れで被災する恐れが高く、被災すれば、甚大な被害が予想される。

国道や県道のことは地元の市町村の管轄ではないため、舗装修理にまで手に負えないという事情もあるそうだ。

地震に備えて、緊急時は国道や県道も市町村が応急的に道路を舗装、修理できるような体制が必要だと思う。

住宅の耐震化や津波対策にも積極的に早急に取り組むべきだろう。

今回の地震で、あらたに課題を突き付けられた形だ。

地震大国・日本。

同じ条件下の地域は日本全国いろんなところにある。

知恵を出し合って、最小限に被害を抑えることを早くから備えておくべきだ。

教訓を有効に生かさなければ、地震で被害に遭われた方に申し訳ない。

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