日本を代表する上位銘柄が様変わり~時価総額を活用した銘柄選び~
先日、日経平均株価が史上最高値を約34年ぶりに更新したというブログを掲載しました。
東京証券取引所の時価総額上位銘柄の顔ぶれを見てみると、
バブル期の現在では大きく様変わりしたように思えます。
かつて、トップ10を占めたのは、主に銀行株。
バブル崩壊後に不良債権処理に追われて、再編を繰り返した影響が表れています。
けん引役だった銀行株は、脇に回り、代わりにハイテク株が台頭してきているのも現状。
半導体関連を中心に日本の技術力の再興が見込める潮目に入ったのではないかと個人的にですが思えます。
かつて、9位だったトヨタ自動車は高い技術力と好調な世界販売が評価されて、首位に台頭。
今や、なんと時価総額は57兆円超で、世界でも有数の企業に成長した。最盛期のNTTを上回ります。
このほか、気になるのが半導体製造装置の「東京エレクトロン」が3位、画像処理の半導体で高いシェアを持つソニーグループが5位に付けています。
そして、半導体基板材料の「信越化学工業」が10位に入っています。
専門家いわく。
「今の時代に期待を背負うのは、半導体関連株。人工知能(AI)が社会を変えると見込まれているから。」
半導体は経済安全保障上も重要視されているという。
主力銘柄の多くが、堅調に業績を示し、買い注文を集める中で、懸念材料が中国の動向である。
トヨタは中国での販売が伸び悩んでいる。
東京エレクトロンも米中対立に巻き込まれないことが収益安定のカギを握ると言える。
そういうけれど、では、なぜ企業の時価総額と株価や投資と関連があるのか?と疑問に思うときがあります。
個人的にそうでした。
企業が儲かれば、そこに投資すればいいけど、
企業の時価総額が上がっているから、そこに投資すれば適格なのかと言われると、首をかしげたくなります。
企業が頑張っているから、時価総額が上昇する。企業の株を買ってくれる外国投資家も増える。
そこで、投資でいいのか・・
では、時価総額を見ることで何が分かるのか。
時価総額は、市場から見たその企業の価値や規模を測る重要な指標の一つであり、現在の株価に発行済株式数をかけることで求めることができます。
時価総額を計算式で表すと下記のようになります。
時価総額 = 株価 × 発行済株式数
株価は日々変動しますので、時価総額も日々変動するものになります。そのため時価総額は、会社の規模や経営状態の比較によく使われます。
時価総額が大きいほど、企業の価値が高く規模が大きいと判断されるということです。
「株価だけ見ればいいのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、株価だけでは企業の価値や規模を正しく評価することはできません。
なぜなら発行済み株式数は企業ごとに異なるので、株価だけで比較をすることは難しいのです。そこで時価総額が使われるようになりました。
株価が高ければ時価総額は大きくなりますが、株価が低くても発行済み株式数が多ければ時価総額は大きくなりますので企業価値は高いということになります。
例えば下記のような会社があった場合
【A社】1株「100円」で発行済株式数「1,000株」 ⇒ 時価総額「10万円」
【B社】1株「50円」で発行済株式数「3,000株」 ⇒ 時価総額「15万円」
株価だけを見るとA社の方が高いですが、B社のほうが発行済み株式数が多く時価総額は高くなっています。
このように株価だけでは企業の価値を判断することはできません。
特に初心者の方は、株価が高いほど良い会社と思いがちなので注意することが必要だと思います。
時価総額が企業の価値や規模を表すのなら時価総額の大きい会社の株を買えば良いかというと、必ずしもそうとは言えません。
時価総額が大きい会社というのは、すでに会社の規模が大きくなっている場合が多く、今後大きな株価の上昇が見込めないと捉えることができます。
逆に、時価総額が小さい会社は、将来大きく成長する可能性が高く、株価も大きく上昇する見込みがあるということを示しています。
また、時価総額が小さい企業は大きな成長が見込める反面、悪いニュースなどが出た場合株価急落の危険性も高く、さらに業績の悪化が続くと倒産するリスクもあるので注意する必要があります。
時価総額が大きい会社は、今後大きな成長は見込めませんが、経営が安定しているため株価も安定傾向にあります。
株価が短期間で大きく上昇する可能性は低いですが、同時に株価が急落するリスクも低いため、安定した運用を行うことができます。
倒産するリスクも低いので、着実な運用をしたい安定志向の方におすすめだと思います。
あくまでも時価総額は一つの判断材料にすぎません。
正しく企業価値を見極めるために、必ずいろいろな指標と合わせて分析することをおすすめします。
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