岸田首相の所信表明演説

岸田首相の所信表明演説

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昨日、岸田首相は衆院本会議で所信表明演説を行った。

(以下、演説一部抜粋)

私の頭に今あるもの、それは「変化の流れを絶対に逃さない、つかみ取る」の一点です。

岸田内閣は、防衛力の抜本的強化、エネルギー政策の転換、次元の異なる子供・子育て政策をはじめ、時代の変化に応じた先送りできない課題に一つ一つ挑戦し、結果をお示ししてきました。

今後も、物価高をはじめ国民が直面する課題に、「先送りせず、必ず答えを出す」との不撓不屈の覚悟を持って取り組んでいきます。

最初につかまなければならない変化の流れは「経済」です。

この変化の流れをつかみ取るために、持続的で構造的な賃上げを実現するとともに、官民連携による投資を積極化させていく。

「経済、経済、経済」、私は、何よりも経済に重点を置いていきます。

経済対策の二つ目のポイントは「国民への還元」です。

急激な物価高に対して賃上げ上昇が十分に追い付かない現状を踏まえ・・ 

まず、現世代の国民の努力によってもたらされた成長による税収の増収分の一部を公正かつ適正に還元し、物価高による国民のご負担を緩和いたします。

多くの自治体でこの夏以降低所得者世帯に対して一世帯当たり3万円を目安に支援を開始してきました。

この物価高対策のための重点支援地方交付金の枠組みを追加的に拡充することとし、経済対策に盛り込みます。

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 岸田首相は、所信表明演説で、経済対策に重点を置く考えを示した。

表明の中で物価高を乗り越えるために「税収増分の一部を公正かつ適正に還元し、国民負担を緩和する」と表明し、総合経済対策を早急にとりまとめ、指示すると宣言した。

ただ、一番気になるのが、あれだけ、野党からも指摘されていたように、所得税減税については触れず、防衛費増に伴う増税の開始時期もいつからになるのかが触れられなかった。

国会論戦の貴重な場である首相の演説の中で、なぜ岸田首相は明確に説明してくれないのか、疑問に残る演説で終わったように思う。

先週、幹部に税収増の還元策を早急に検討するように指示したというが、減税は期限付きとし、一定額を納税額から差し引く形になるというのを知った。所得税を納めていない低所得者や高齢の非課税世帯には給付での対応をとることを今後検討していくという。

これが、減税の検討の話である。

一方で、

防衛力強化へ法人税や所得税などの増税方針を決めたのが昨年末。実施時期は決定を先送りしたまま今に至っているはずだ。予算の拡充を打ち出しながらそもそもの財源確保は先送りにして、年末に議論すると述べている。

これが、増税の検討の話である。

結局

こうした負担の具体像をはっきりさせずに所得税減税をしても、減税の先には増税や負担増が来るのは明白だとして、国民は所得が増えた分を貯蓄にまわすだけではないのかと感じてしまう。先行きの不安を取り除かなければ、真の経済は回らないように思う。貯蓄に回っては事は一緒なのである。

還元、還元と首相は述べておられるが、その原資は71兆円と過去最高となった2022年度の税収が念頭にあるからだといわれている。

税収分は物価高に伴う消費税の伸びと、円安による輸出企業の利益が膨らんだ結果である点が大きく、必ずしも成長の果実だとは言い切れないと思う。

家計への支援は確かに必至だ。首相がすぐさま手を付けたい課題としてあげている点も分かる。

長引く物価上昇に苦しんでいる国民への負担増をいかに緩和するか、首相も頭を悩ましているところだと思うが、物価対策を検討するのであれば、、その直接の要因となっている原油高や円安への対応を急ぐべきだと考える。

根本的な原因をいち早く把握し、その解決に取り組むことが首相としての仕事ではないかと思う。国民に寄り添うとはそういうことではないだろうか

最近の世界情勢をみていて、確かに防衛力強化も必要ではないかと考えるようになった。

だからこそ、国民に増税するにせよ、減税するにせよ、しっかり理由を説明した上で、具体的な対策を講じてほしいと願う。少子化対策も早くなんとかしてほしい。

そのための財源論議であれば、しっかり国会で論議していただいて、国民の分かる形で提示してもらいたい。国民のためであるという姿勢が見えれば納得がいく。

おかしいところは野党が追及しなければならないが、その野党の力量も問われるところである。言葉だけ飾り立てて追及するだけに終わってしまうのではなく、では野党としてはこういう方策をもってますと具体的に国民に提示して了承を得てはじめて、次の選挙で議席を伸ばせるというものだろう。

これまで時間はたくさんあったはずである。提示する財源に裏打ちされた政策をどこまで打ち出していけるかに野党はかかっている。

岸田首相の所信表明演説を無駄にすることのないように、国会審議を通して、国民に十分に理解を得られるような議論を深めてもらいたいと切に願う。

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