サッカーJリーグ J1神戸 初制覇!!~半端ない大迫選手~
J1ヴィッセル神戸が名古屋グランパスを2-1で破り、初優勝・初制覇を飾る
神戸はクラブ創設29年目で悲願の優勝を達成した。国内3大タイトル獲得は天皇杯以来の二つ目となった。
なんといっても、初制覇の立役者は、「半端ない」大迫選手だった。
文字通りの大黒柱だった。第33節までのチーム総得点59点のうち、FW大迫選手は22点を決めた。
自己最多だった19点を超えて得点ランクトップに立った。それだけでなく、名古屋戦では2アシストを決めるなど見方にも点を取らせた。
ポストプレーや守備で惜しみなく汗を流し、仲間も鼓舞するリーダーに、吉田監督も大絶賛。「半端ないでしょ」の連呼だった。
昨季は怪我で泣いた年だった。
26試合でわずか7得点と絶不調に低迷。サッカー人生を賭けたワールドカップ(W杯)カタール大会の代表からも落選して苦しみと悲しみにもがいた。
雪辱に燃え、沸き上がった気持ちが「所属チームの神戸で何かを成し遂げるまでは現役を辞められない」。
そのために、W杯のバックアップメンバーも断り、治療に専念、オフ返上で再調整を図った。それが功を奏した。
「落選をパワーにできたのがよかった。体もリセットできた。そういうものがすべてかみ合った結果」
反骨心を最高に燃やしたエースストライカーは、栄光をつかむにふさわしい姿を最後の最後に見せたのである。
試合を見ていた。
1点リードの後半ロスタイム。
武藤選手の目には大粒の涙らしきものが見えた。
いろいろなものが込みあげてきて、もう我慢できなかったという。「いろんなものを犠牲にしてきた。だから、すべてが報われる」
試合終了の笛の音が聞こえると、思いっきり雄たけびを上げた。
今季10得点目が栄冠に直結して「この瞬間のために生活のすべてをささげてきた」
離れて暮らす家族の元に行くことすら、「体によくないと思ったら会わないという選択肢もとった。もちろん寂しいけど、それがプロ。とにかくサッカー優先だった」
若くで海外に渡り、今やもう31歳。ベテランの域に入った。今まで以上に体のことを気遣う。強い覚悟でここまで全試合に出場してきた。肺挫傷という重病も乗り越えた。けがは数えきれない。
戦い続けてきた日々が、初制覇という最高の形で締めくくられたのである。
大迫選手の試合後のコメント
このために日本に戻ってきたので最高です。本当に、自分たちを信じて、戦うだけでした。仲間を信じていましたし、勝てて良かった。仲間に感謝したい。いつも通り、僕たちがしてきたことを出すだけでした。それを前半最初からすぐに出せたので優勝につながったと思う。
1ゴール目のアシストは井出選手が良い動き出しで、ランニングしてくれたので合わせるだけでした。井出選手は苦しい時間も必死にもがきながらトレーニングしていたので、結果が出て、良かったです。
2ゴール目のアシストは武藤選手を信頼しているので、決めてくれて良かった。
本当にやり続けることだけを考えていた。勝つという強い気持ちで90分できたので、神戸で優勝できたのは誇りに思いますし、全力で喜びたいと思う。
優勝できた要因として、本当に若い選手たちも必死に成長してくれたし、僕らは背中を見せようと、経験のある選手が引っ張ることができた。チームとして強くなったと思う。
本当におめでとう。
これまでずっと大迫選手を応援してきた。
W杯メンバーに落選したときも、ニュースなどで落胆しているなどと報道され、心から心配した時期もあった。
海外で結果を残し、その経験を次はJリーグで見せる。それがなかなか叶わなかったことは大迫選手が最も悔やんでいたことだと思う。
それが、やっと花開いた。
試合をみた。
涙が出た。
やっぱりスポーツっていいなと改めて感じた瞬間だった。
地元鹿児島に誇りを持って、帰ってきてほしい。できれば、優勝トロフィーを持って。
今日、J3鹿児島ユナイテッドの昇格を賭けた大事な一戦もある。
まだまだ目が離せない。
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